研究課題/領域番号 |
13740054
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
宇野 力 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (20282155)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 逐次解析 / 停止規則 / 二標本問題 / 指数分布 / 2次近似式 / 純逐次法 |
研究概要 |
二つの母集団を考えてそれらに基づく母数を推測する二標本問題において、母平均の差の逐次推定問題に対しては、これまでに幾つかの逐次手法が提案されてきた。しかしながら、分散比のような尺度母数の比の形の母数の推定については、これまで、逐次手法が考案されていなかった。そこで、本研究では、母集団分布が指数分布の場合における尺度母数の比の逐次推定問題を考察した。損失関数は二乗誤差に線形費用を加えたものとし、標本抽出費用を小さくするときに漸近的にリスクを最小にする逐次手法を提案することが目的である。本研究では、純逐次法と呼ばれる逐次手法を具体的に提案した。これは、各段階において、各母集団から同時に1個ずつ標本を抽出してきて、それまでに抽出した標本すべてを用いて標本抽出を続けるか停止するかを決定するという手法である。逐次手法の良さを評価する基準としては、リスクについてのリグレット(regret)が用いられる。標本抽出費用を小さくするときに、提案した純逐次法のリグレットは標本4個分となることが証明された。また、提案した逐次手法を偏り補正するとリグレットは標本3個分となった。このことから、指数分布の場合には、平均差を推定するときに比べ、尺度母数の比を推定する方がリグレットに関しては効率が良いことがわかった。さらに、提案した逐次手法は二つの正規母集団の分散比の推定にも適用できることが示された。これらの研究の成果を、平成14年11月20〜22日に京都大学数理解析研究所で開催された短期共同研究集会「漸近的統計理論」(研究代表者 長尾壽夫)において講演発表した。
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