研究概要 |
平成14年度は,平成13年度に得た2次元粘性非圧縮流体のKolmogorov問題に関する線形化固有値問題の精度保証結果をまとめるとともに,研究会等でのそれらの成果発表を通して,関連する研究者の方たちと活発な意見交換を行った.これにより,この問題に関する今後の課題等が明確になり,理論的解析と精度保証によるアプローチとを融合することで新たな進展の見通しもできた.また,9月末にはパリにおける国際会議「SCAN-2002(International Symposium on Validated Numerics 2002)」においても本研究の成果を発表し,流体問題に関連する固有値問題の精度保証という観点から,海外の研究者たちと有意義な討論を重ねる機会を得ることができた. さらに,Driven Cavity Problemに対する精度保証付き数値計算の適用を目指して準備に取り掛かった.これも2次元の流体問題の一種であるが、その方程式の解の検証についてはまだ世界的にも例が少ない.中でも,Reynolds数が大きい場合の解の検証に成功した例はまだなく,現手法の改良や,他の(位相的)アプローチの適用などを視野に入れながら,検証に向けての定式化に取り組んでいるところである.
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