研究課題/領域番号 |
13740082
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 山口東京理科大学 (2002) 東京理科大学 (2001) |
研究代表者 |
井上 啓 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (70307700)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 量子カオス / エントロピー型カオス尺度 / カオス / 量子古典対応 / 量子パイこね変換 / 対数時間 |
研究概要 |
本研究は、量子系においてカオス等の複雑な振る舞いを定量化することを目的として、エントロピー型カオス尺度(以下、ECDと略す)という(古典)カオスを測る尺度を量子系に拡張し、その性質を調べたものである。ECDは周期運動のような安定的な振る舞いを示すときは0、カオス的な振る舞いを示すときは正の値を取り、その値が大きいほどカオスの度合が強くなる。本研究では、ある観測量の各時刻での状態の期待値の系列(以下、量子軌道と呼ぶ)を定義し、この量子軌道にECDを適用することによって、量子系のカオス的な振る舞いを定量化することを試みた。 最初に調べたのは、量子系で安定的な振る舞いを示すと考えられる、(1)時間間隔のみに依存するユニタリー作用素で定義されるユニタリー時間発展(2)定常状態への漸近収束(3)量子観測、に対するECDの性質である。本研究では、どの場合においても、ECDは0を取ることを示し、ECDが量子系で安定的な振る舞いを示す場合には、古典系と同様に機能する指標であることがわかった。 次に、量子系でカオスを伴う複雑な振る舞いを示すものと考えられる「外磁場を伴うスピン系の振る舞い」を調べた。ここでは、スピンの方向成分を決める座標の変換がカオス的な振る舞いを含む写像によって与えられる場合を考察した。その結果、ECDは、写像がカオス的になれば正の値を取ることが示されたが、同時に準周期的な振る舞いをする場合にも正の値を取りえることがわかった。準周期的な振る舞いは、カオスとは異なる運動と分類されるものであるため、軌道の扱い方を工夫して、準周期的な状況が起こらないように修正をすることで、外磁場を伴うスピン系の振る舞いを完全ではないが定量化することができた。 この他にも、量子系においてカオス的な振る舞いを示す理論モデルである「量子パイこね変換」に関する性質も調べた。
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