研究概要 |
平成14年度には、H.Shahgholian、N.Uraltsevaとの共同研究で、楕円型2相障害物問題Δu=λ_+/2χ_<{u>0}>-λ_-/2χ_<{u<0}>に関する結果を得た。得に、空間全体上で定義されている、原点と無限大において2次の増大を持つ解を完全に特徴づけた。 一方、14年度に以下のdouble pinningの放物型自由境界問題に関して結果を得た。方程式∂_tu_ε-Δu_ε=-β_ε(u_ε) in (0,∞)×R^nに関するコーシー問題を考えよう。ただし、ここではε>0が小さく、非線形項β_ε(z)がε→0のとき、台として点0のみを持つ測度に収束する。ここで重要なことは、β_εとu_εの符号が変わるという場合も扱っていることである。この場合は確立解析で発生した(舟木・坂川の研究を参考)。ただし、確立解析においては、関数z→∫^z_aβ(s)dsがweak self-potentialに相当する。 解u_εはεによらず、空間変数に関してリプシツ連続、時間変数に関してHolder連続である。族u_εの各極限uが領域変分の意味で、自由境界問題∂_tu-Δu=0 in {u>0}∩(0,∞)×R^n,|∇u^+|^2-|∇u^-|^2=g on (∂{u>0}∪∂{u<0})∩((0,∞)×R^n)の解であることを示した。自由境界条件に現れる関数gは非線形項β_ε(z)の構造によって定数関数とは限らない。
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