研究課題/領域番号 |
13740142
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鈴木 博 茨城大学, 理学部, 助教授 (90250977)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 格子ゲージ理論 / カイラル対称性 / カイラルフェルミオン / アノマリー / カイラルゲージ理論 / 量子異常 / CP対称性 |
研究概要 |
格子上の新しいカイラル対称性の取り扱い方法の理解とその応用に対して、今年度は6編の論文を発表した。内容としては、(i)ゲージ群がU(1)の格子ゲージ理論におけるトポロジカル電荷を、一般の次元に対して構成し、その意味を議論した。(ii)超場形式で定式化された超対称ゲージ理論におけるゲージアノマリーを、一般のホモトピー経路に対して計算する簡明な処方箋を与え、いくつかの例に対して適用した。(iii)一般化されたGinsparg-Wilosn(GW)関係式を満たす格子上のディラック演算子に対して、荷電共役が自然に定義し得ないことを指摘し、その意味を議論した。また、GW関係式を満たすディラック演算子を使って定式化されるカイラルな格子ゲージ理論において、定式化において不可避なCP対称性の破れが引き起こす効果を明らかにした。(iv)GW関係式を満たすディラック演算子から定義される格子上の軸性アノマリーの基本的構造を、有限の格子間隔、有限の体積の場合について明らかにした。(v)Overlapディラック演算子から定義される格子上の軸性アノマリーの古典連続極限を、任意の次元に対して計算した。(vi)ゲージ場が空間依存性を持たないいわゆるreduced modelに通常の格子ゲージ理論を"埋め込む"ことによって、reduced modelにもアノマリーの名残があることを初めて指摘した。(vii)GW関係式と密接な関係がある、格子上のカイラルフェルミオンのもう一つの定式化であるdomain wall fermionの問題点を指摘し、この定式化においても、CP対称性の破れが不可避であることを示した、である。
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