研究課題/領域番号 |
13740176
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 尚和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40302385)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 量子ホール系 / 密度行列繰り込み群 / 高次ランダウ準位 / ストライプ / ウィグナー結晶 / 基底状態 / 相図 / 相転移 / 高次ランダウレベル |
研究概要 |
強磁場中二次元電子系の基底状態の相図を密度行列繰り込み群(DMRG)を用いて系統的に調べた。最低ランダウ準位に全電子が収容される強磁場の極限では、電子間に働く相互作用がサイクロトロン運動によって実効的に短距離型になることから、奇数分母占有率での分数量子ホール状態を典型とする量子揺らぎの強い電子状態が実現する。そのため、この系の基底状態を理論的に求めるためには量子多体問題を正確に解く必要があり、平均場解を基本とする伝統的計算法では十分な解析が難しい。本研究では量子多体問題を高い精度で解くDMRGと呼ばれる新しい数値的計算法を用い、従来の計算法の限界を超えた解析を系統的に行うことで、これまで困難であった強磁場中二次元電子系の基底状態の相図を決定した。DMRGにより得られた結果は、実験的に確認されている占有率n/(2n+1)、1/5での分数量子ホール状態の存在に加え、占有率1/2での圧縮性液体状態や、1/7以下でのウィグナー結晶状態の存在を示し、また、占有率0.42から1/7にかけて弱いストライプ的な相関が成長するという新しい基底状態の特徴を明らかにした。強磁場の極限から磁場を弱くしていくと、ランダウ準位の縮退度が下がり、一部の電子が高次のランダウ準位を占めるようになる。高次のランダウ準位では一電子状態の波動関数が空間的に広がることから電子間に働く実効的相互作用は長距離型に変化し、新たな電子状態が実現する。DMRGにより得られた結果から、下から二番目のランダウ準位の占有率が1/2のとき、非圧縮性の液体状態が実現し、そこから占有率を下げるとストライプ相が出現することが分かった。さらに占有率を下げると1/3、1/5での分数量子ホール状態を経て、1/7以下で最低ランダウ準位と同様にウィグナー結晶状態が現れることが分かった。
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