研究課題/領域番号 |
13740191
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
樋口 透 東京理科大学, 理学部・応用物理学科, 助手 (80328559)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 軟X線ラマン散乱 / 強相関電子系物質 / 電子相関 / 電子状態 / ハバードバンド / バルク / d-d遷移 / 電荷移動型遷移 / Mott転移 |
研究概要 |
ドープしたMott絶縁体La_<1-x>Sr_xTiO_3の金属-絶縁体転移を生じる。x=0ではMott絶縁体、x>0.05では金属である。ドープ量を変えたことによる転移は、輸送特性の報告から、電子相関の寄与によるものと考えられていたが、その証拠は得られていなかった。本年度の研究では、軟X発光スペクトルに観測されるd-d遷移による軟X線ラマン散乱を解析することにより、転移前後の電子相関と結晶場分裂の大きさを実験的に見積もることに成功した。電子相関は、t_<2g>励起により生じたd-d遷移の軟X線ラマン散乱構造のラマンシフトにより見積もられる。結晶場分裂は、e_g励起により生じたd-d遷移の軟X線ラマン散乱構造のラマンシフトにより見積もられる。電子相関の値は4.0eVであり、転移前後での変化は見られなかった。また、電子相関の大きさは、光電子分光と逆光電子分光から、見積もられる上下ハバードのエネルギー差と一致していることが確かめられた。結晶場分裂の大きさは、X線吸収スペクトルの結果と一致し、転移前後で変化が見られた。その他、軟X線発光スペクトルに観測されるDrude-peakは、Mott絶縁体において消滅していることから、準粒子バンドからハバードバンドへのSpectral-weight-transferを示唆する結果を得ている。これらの結果は、DMFT(dynamical-mean-field-theory)によって計算された事実を裏付けている。
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