研究課題/領域番号 |
13740236
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齊藤 圭司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90312983)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 量子スピン系 / 非断熱遷移 / 量子磁性体 |
研究概要 |
Mn12やFe8など分子磁性体における非断熱遷移過程における散逸の影響を理解するために最初に2準位系を考え横方向の静磁場と強く揺らぐ縦方向のノイズを考え、強いノイズの極限での漸近的に厳密な非断熱遷移公式を出した。またLandau-Zener遷移公式を使ってエネルギーギャップを見積もると、エネルギーギャップが正確な値とずれることがFe8に対する実験で報告されていることを受けて、それがゆっくりしたノイズの効果であるとしたときの、ずれを評価した。それを用いると実験で報告されているエネルギーギャップの同位体置換の効果を定性的には説明できる。 また磁性体での動的な現象として最近実験が頻繁になされている熱伝導現象を考察した。CuGeO3でのスピンパイエルス系での熱伝導現象がパイエルス転移をしても弾道的に熱が流れてしまうことを数値計算や解析計算から示した。またそのDrude重みの低温での温度依存性も評価した。 複雑なHamiltonianでかかれる量子スピン系の抽象的なモデルとしてランダム行列を考えそれに対する振動外場の応答を見ることで、熱伝導現象など熱的拡散過程がどのように起こるかを考察し、Landau-Zener遷移公式を使うことで拡散過程の定量的な評価ができる振動領域が存在することを示し振動数依存性を議論した。
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