研究課題/領域番号 |
13740239
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 量一 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10263401)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 液晶 / コロイド / エマルジョン(懸濁液) / 分散系 / ネマチック / スメクチック / シミュレーション / ハイブリッド型 / エマルジョン / ネマティック / メソスコピック |
研究概要 |
ネマチックまたはスメクチック相にある液晶溶媒に、コロイド粒子など液晶分子に比べ大きな粒子を分散させると粒子と液晶溶媒の相互作用によって液晶の配向が乱され、粒子間に長距離に及ぶ異方的な弾性相互作用が働く。その結果これらの分散系は実に多様な相挙動を示すことが最近の実験で報告されており、さらにそのダイナミクスも興味ある特異な性質を示す。解析的に取り扱うことが難しい複雑な系であるのでシミュレーションによるメカニズムの解明が期待されているが、残念なことに多粒子が分散する系に適応可能なシミュレーションの手法がこれまで存在しなかった。本研究の最大の狙いは、このようなシミュレーションの困難な系に対して有効な手法を開発することにある。 本研究の実施計画はおおまかに2つの部分に分けることが出来る。まず第一の部分は数値計算手法の確立とプログラムの開発であり、第二の部分は数値計算の実行と計算結果の解析である。どちらも本研究の主要な部分である。第一の部分については数値計算に用いる最適なモデル・数値計算手法の検討、及び試験的なシミュレーションプログラムの作成を行った。具体的には多体力を無視することなく、なおかつ効率のよいシミュレーションを可能とすべくメソスコピックなシミュレーション法を開発した。この方法ではコロイド粒子と液晶溶媒の界面とを連続的に取り扱うことにより多体力の計算を容易にし、多数のコロイド粒子が分散する系のシミュレーションを行う場合にその効率を劇的に向上することに成功した。第二の部分についてはネマチック液晶溶媒、スメクチック液晶膜に分散するコロイド粒子の凝集の様子を調べた。その結果前者では粒子間に四重極子的、後者では双極子的な相互作用が作用することがわかった。また、本研究で得られた成果をもとに産学連携のプロジェクトを開始出来たことは特筆に価すると考えている。
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