密度行列繰り込み法を、いわゆる、ソフトマテリアルに応用した。本研究補助金で計算機を納入し、大規模計算を行った。その結果次のことが分かった。 (a)膜の熱力学に密度行列繰り込み法が適用可能かつ有効である。 (b)Ma-Swendsenの実空間繰り込み法も併用することができる。よって、相互作用定数の繰り込み群方程式をえることができる (c)さらに、状態和の積分メージャーも自由に選ぶことが出来る。試しに、膜の変位と曲げ変形と傾き角を、積分メジャーとして採用した。 (d)その結果、繰り込み群の流れの方向が、メジャーに依存することが分かった。 (e)曲げ変形をメジャーに選んだとき、曲げ弾性の相互作用定数が強結合方向に流れる事が分かった。それ以外のメジャーでは、弱結合方向に流れることが分かった。 (d)以上により、熱揺らぎにより膜は実効的に硬くなることが示された。 (f)以上の結果は、学術雑誌に掲載されている。
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