研究課題/領域番号 |
13740256
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松岡 千博 愛媛大学, 理学部, 助手 (10270266)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 渦層 / 非一様性 / 流体力学的不安定性 / 非線形解析 / リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性 |
研究概要 |
本研究では、リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性に生じる渦層の非線形発展が調べられた。 リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性は密度の違う2つの流体の境界面が初期に凹凸を持っていることによって生じる不安定性である。境界面の凹凸は渦度の非一様性を引き起こし、それによって境界面はマッシュルーム状に巻きあがる。このマッシュルームは初期に境界に沿って法線方向速度と接線方向速度の両方が存在することによって形成されるもので、初期に一様な接線方向速度のみが存在するケルビン・ヘルムホルツ不安定性や法線方向のみが存在するレーリー・テイラー不安定性とは異なる不安定性である。これらの不安定性は時間に関して指数関数的な増大を示すのに対し、リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性は時間に関して線形に成長していくことにもその違いがあらわれている。 本研究では、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性およびレーリー・テイラー不安定性とリヒトマイヤー・メシュコフ不安定性との違いが明らかにされ、境界面を渦層として扱うことによって、その非線形安定性が調べられた。リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性にはこれまで重力場の存在や衝撃波の存在が不可欠であると信じられてきたが、上記非線形解析の結果、それは必ずしも必要ではなく、初期に境界面に非一様な渦度がありさえすれば、リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性は生じ得るということが解析的にも数値計算においても確かめられた。また、線形領域の解析では記述できない精密な時間発展の様子が調べられ、境界の幾何学的形状の時間的変化の様子、渦度の集中等の時間発展の様子が解析的なものと数値的なものとの両方に関して調べられた。 その結果、境界面のどの部分がマッシュルームの中心部分になり、どの部分が茎や傘に変化していくか等の具体的な変化を追いかけることが可能となった. 実験との比較検討を行った結果、ここでの解析はマッハ数が非常に大きい(M=15-20)場合にも適用できることが確かめられた。
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