研究課題/領域番号 |
13740266
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武井 康子 東京大学, 地震研究所, 助手 (30323653)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 部分溶融 / 変形 / 流動 / 地震波速度構造 / Vp / Vs比 / 非弾性 / 固液共存系 / 流体形状 / 分散 / 減衰 / 地震波速度 |
研究概要 |
1.大容量(7cm角)のアナログ部分溶融試料に様々な時定数(1分〜数週間)と様々な振幅(0-10^5Pa)の差応力を加えて変形し、試料の内部構造を超音波の横波二成分でその場観察できる、本研究独自の変形実験装置を設計・製作した。発生力と装置剛性について、目標通りの性能が得られた.部分溶融試料のメルトフラクションを様々に変えて実験を行い、媒質のマクロな変形流動に対するミクロな内部構造の応答が、メルトフラクションにより大きく異なることを明らかにした.具体的には、メルトフラクションが大きくなるにつれて、変形中に生じた異方的非平衡構造が差応力の除荷後も容易に回復せず、履歴あるいは記憶効果が顕著になることが分かった. 2.固液集合体の弾性波速度を扱う理論モデルとしてこれまでに提案されてきた様々なポアの形状(界面張力平衡にある時の流体形状からクラックまで)を系統的に整理し、Vp/Vs比の変化において流体の物性(ガス、水、メルト)とポアの形状が果たす相対的な役割を明確に示した。この結果をもとに、地震学的に得られるマントル部分溶融層や浅部マグマだまりの地震波速度構造から、部分溶融物質の内部状態を予測し、パーミアビリティや粘性などの力学物性を予測する具体的方法を提案した. 3.部分溶融層における地震波の減衰特性を明らかにするため、100kHz-1MHzにおける弾性波の位相速度と減衰を周波数の関数として精密に測定した。探触子に起因する周波数特性と有限震源からの放射特性に起因する周波数特性を生データから補正し、媒質の弾性・非弾性特性のみを精密に測定する手法を確立した.得られたデータは固液集合体の弾性・非弾性特性に関する既存の理論モデルを検証するための基礎データとなる.
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