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貝殻微細構造の解析による化石二枚貝類の成長履歴の推定

研究課題

研究課題/領域番号 13740299
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 層位・古生物学
研究機関静岡大学

研究代表者

生形 貴男  静岡大, 理学部, 助手 (00293598)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード二枚貝 / 貝殻微細構造 / 稜柱構造 / 結晶成長 / 理論形態 / コンピューターシミュレーション / ボロノイ分割 / 核形成
研究概要

稜柱構造を持つ現生二枚貝8種について,殻表面における結晶のサイズ,結晶晶出部位の分布,結晶粒界の空間分割パターンに着目し,それらのパターンと結晶成長速度との関係を理論形態的手法を用いて解析した.
まず,電子顕微鏡下で,結晶内部に見られる特徴的な成長輪パターンを"鍵層"のように用いて,一つの殻の中の複数の場所で結晶の相対的な成長速度を比較した.また,各部位において,一粒一粒の結晶の面積を計測し,結晶晶出サイトの分布を調べ,さらに各結晶の形状をボロノイ分割パターンと比較した.加えて,各部位における殻の相対的な付加成長量も見積もった.その結果,結晶の粒が小さくなるほど,概してその面積の分布は右に歪み,面積のばらつきも大きくなることがわかった.また,多くの個体で,結晶の面積と相対的な成長速度との間に正の相関が見られた.更に,結晶の粒が大きいほど,結晶晶出サイトは一様分布に近づき,結晶の形状はボロノイ分割に近くなることがわかった.
次に,結晶の大きさや形状さらには核形成サイトの分布に見られる変異が結晶成長過程のどのような違いを反映しているかを明らかにするために,理論形態モデルを用いて結晶の生成と成長のシミュレーションを行い,実際の貝殻に見られるパターンと比較した.その結果,殻の成長縁での核形成頻度が既存の結晶密度に依存するモデルが実際のパターンを最もよく説明することがわかった.シミュレーションの結果から,核形成が起こる期間の長さが,結晶の大きさ,結晶の形状,核形成サイトの分布などをコントロールしているものと思われる.成長縁で核形成が起こる期間は,殻成長縁の前進速度,すなわち殻皮や殻の付加速度が速いほど短いと考えられることから,上記パターンの多様性が貝殻の成長速度と密接な関係にあることが示唆される.

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ubukata, T.: "Geometric pattern and growth rate of prismatic shell structures in Bivalvia"Paleontological Research. vol.5,no.1. 249-270 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Ubukata, T.: "Nucleation and growth of crystals and formation of cellular pattern of prismatic shell microstructure in bivalve molluscs"Forma. vol.16,no.2. 141-154 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Ubukata, T.: "Morphological significance of the orientation of shell coiling and the "the aperture" in bivalve molluscs"Neues Jahrbuch fur Geologie und Palaontologie. vol.221,no.2. 249-270 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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