研究課題/領域番号 |
13740302
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
重田 康成 独立行政法人 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (30270408)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アンモナイト / セラタイト目 / プロレカニテス目 / サゲセラス超科 / 初期殻体内部構造 / 系統解析 / 三畳紀 / ロシア / ゴニアタイト目 / ペルム紀 / 石炭紀 |
研究概要 |
古生代末の大量絶滅事変を境にして、あるいは絶滅事変後の多様性回復時には、アンモナイトの各分類群間の系統関係に不明な点が多い。これは、従来の系統解析に用いられてきた縫合線の形態や殻形態に多様性が乏しく、詳細な系統解析が困難であることによるためである。 アンモナイトの殻体の内部には、殻壁や連室細管など多くの形質が存在する。そのうち、特に成長初期の諸形質はアンモナイトの高次の系統解析に極めて有効な基準となることが経験的に知られている。そこで、ロシア・沿海州の三畳紀前期の地層から採集したアンモナイト30種の初期殻体内部構造を観察し、各グループ間の系統関係に関する推定を試みた。なお、観察は、走査型電子顕微鏡を用いて、初期殻の大きさ、盲管の形態、原連室細管の形態、連室細管の個体発生様式、原隔壁の形態、隔壁襟の形態、第一くびれの位置、第一くびれまでの殻の大きさなどを中心に行った。 観察の結果、三畳紀前期アンモナイトの初期殻体内部構造は、原連室細管の形態、連室細管の個体発生様式の違いにより少なくとも4タイプに区別できることがわかった。このうち、サゲセラス超科とミーコセラス超科の一部が同じ初期殻体内部構造をもつことがわかった。サゲセラス超科はプロレカニテス目から派生したとする学説があるが、上記の観察結果は、サゲセラス超科がセラタイト目に含まれることを強く示唆している。また、ディナリテス超科の起源は不明とされていたが、セラタイト超科と同じ初期殻体内部構造を持つものがいるため、その起源をセラタイト超科に求めることができる。 なお、ロシア・沿海州の三畳系の地質調査の際に、アンモナイトの産状に関する興味深い事例を発見したので、日本古生物学会第152回例会において報告した(講演予稿集73頁)。
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