研究課題/領域番号 |
13740315
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川本 竜彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00303800)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ダイアモンドアンビル / マグマ / 高温高圧 / 水 / フルイド / 鉱物 / マントル |
研究概要 |
スプリング8の放射光X線を用いて、高温度高圧力条件でマントル鉱物と水を共存させて、水の中に溶け込むケイ酸塩の性質を調べた。 温度1000℃では3.3GPaよりも低い圧力で、Mg2SiO4フォルステライトが成長し、それより高圧ではエンスタタイトしか確認されなかった。このことは低圧では、水に溶け込むケイ酸塩成分のMg/Siが1よりも小さく、高圧になると1よりも大きくなりうることを示している。従来の急冷実験結果と合わせて考えると次のようなことがわかる。 (1)3GPa付近でシリカに富む水から、マグネシウムに富む水に急に変化するかも知れない。このことは、水の中に溶け込むシリ水の中に溶け込むケイ酸塩の構造が変化するためか、H2Oそのものの構造が変化するからかもしれない。 (2)圧力上昇にともない水に溶け込むケイ酸塩の化学組成がマグネシウムに富むようになることは、マントル鉱物と水の間の濡れ角にも影響を与えるはずだ。フォルステライトと水の間の濡れ角が1ム5GPaの範囲で、圧力とともに低下するのは、水に溶け込むケイ酸塩の溶解度が上がっていくため、あるいは、同時にMg/Si比が近付いていくため、と解釈できる。後者の影響が無視できないことはザクロ石(1Mg/Si)と水の間の濡れ角に表れている。濡れ角と水に溶け込むケイ酸塩の組成を同時に測定する実験がなされるべきである。 (3)3GPaム10GPaでエンスタタイトとフォルステライトと共存する水に溶け込むケイ酸塩のMg/Siモル比と同じ温度圧力条件で生成された水を含むKLB-1かんらん岩の部分融解液のそれと似たような傾向を示す。このことは、上部マントルのどこかで(それが決定できるとうれしいが)水にとむマグマとケイ酸塩にとむ水は、互いに溶け合い、一相になっている可能性を示している。
|