研究課題/領域番号 |
13740328
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長尾 秀実 金沢大学, 理学部, 助教授 (30291892)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 有機分子性結晶 / 超伝導 / 多重バンド効果 / 外場 / 外場誘導超伝導 |
研究概要 |
本研究では分子性結晶における超伝導発現および外場誘導超伝導発現の可能性についての理論的研究を行った。まずはじめに、電子-格子相互作用をによるバンド内有効電子間相互作用と電子対散乱あるいは電子対トンネルを含むバンド間有効電子間相互作用に着目し、平均場近似、二粒子グリーン関数法、繰り込み郡の方法などを用いて超伝導状態について理論的に考察を行い、以下の結果を得た。フェルミ面が複数のバンドを横切る場合には超伝導における多重バンド効果が起ることが理論的に示された。超伝導の多重バンド効果により超伝導ギャップが安定化して、超伝導転移温度がより高くなることが示された。このような多重バンド超伝導では電子間相互作用により単数あるいは複数の超伝導ギャップが現われることが示された。 次に、平均場近似レベルでの超伝導状態計算プログラムを開発し、有機分子性結晶などのへの展開も試みた。有機分子結晶の多くに見られるヘリンボーン構造をみると二重バンド構造を持つことが分かる。このバンド構造への電子あるいはホールドープが可能であれば、超伝導発現の可能性が期待されることが示された。また、有効電子間相互作用の対称性と超伝導ギャップの対称性の関連性が示された。これらの計算から、多層構造をもつ有機分子性結晶では外場誘導超伝導の可能性が期待される。一方、外場誘導超伝導実現は外場による格子歪みなどの問題があり、今後の課題である。現在、これらのプログラムの第一原理計算への拡張を展開している。
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