研究課題/領域番号 |
13740361
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
椎名 勇 東京理科大学, 理学部, 講師 (40246690)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | タキソール / 19-ヒドロキシタキソール / フェニルイソセリン / DPTC / CDOP / オキセリン / ビスアルドール反応 / 抗がん剤 / 不斉全合成 / 類縁体合成 / ヨウ化サマリウム / α,β-エポキシケトン |
研究概要 |
(タキソール測鎖の効率的な導入法の研究)タキソールA環部には側鎖と呼ばれるフェニルイソセリン残基が存在しており、これを効率的にバッカチンと呼ばれるタキソールの基本骨格に導入することは容易ではない。これまで、カルボジイミド等の縮合剤を用いてこの脱水反応を行った報告が幾つか存在するが、再現性の点で大きな問題が指摘されていた。我々はこの課題に取り組み、炭酸エステル誘導体であるジピリジルチオカルボネート(DPTC)を用いると上記反応が円滑に進行することを報告している。本年はさらにこの反応剤の改良を試み、炭酸アミドの酸化物等価体であるカルボニルジオキシピリドン(CDOP)が優れた脱水縮合剤として作用することを見い出し、特にこれを用いる反応は塩基の非存在下で円滑に進行することを明らかとした。 (D環開裂型タキソール類縁体の合成)すでに筆者らの研究室では天然から入手容易な10-デアセチルバッカチンIIIのオキセタン部(D環部)の開裂法を活用して種々のバッカチン類縁体の調製法を開発している。これらの合成中間体とタキソール側鎖とのカップリングをDPTCを用いて行うことにより、種々のタキソール類縁体を合成した。これらの活性試験の結果から、D環部は活性発現に必須ではないことを明らかとした。 (19-ヒドロキシタソール類縁体の合成)昨年度までに大量に合成した鎖状ポリオキシ化合物の分子内ビスアルドール反応(最近筆者らが開発した新手法)を行い、炭素19位に水酸基を持つ8員環状中間体を効率的に入手し、さらに、2回目の分子内ビスアルドール反応を用いて19-ヒドロキシタキソールのBC環部の合成を達成した。現在A環部の構築を試みており、引き続き側鎖とのカップリングをDPTCあるいはCDOPの存在下で行うことにより19-ヒドロキシタキソールが合成できるものと考えている。
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