研究課題/領域番号 |
13740389
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤田 渉 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50292719)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | SNラジカル / 二重融解 / 常磁性-反磁性転移 / 反強磁性転移 / 過冷却 / 磁気的性質 / 熱的性質 / 強磁性的相互作用 |
研究概要 |
最近ヘテロ環構造を有するSNラジカルが金属的伝導や弱強磁性など多彩な物性を示すことから注目を集めている。我々は磁化率に大きな温度履歴を有するTTTAが見つかったのを期にこれらの物質群の常磁性-反磁性転移に着目している。本研究ではまずTTTAと分子構造がよく似た、BDTAラジカルの反磁性-常磁性相転移挙動に着目した。調製直後のBDTA結晶を365Kに保ち、磁化率が最大値になったところで降温すると、低温相へは戻らず、常磁性を示す相は、低温まで安定に存在することが判った。室温でこのサンプルを取り出すと固化していたことから、常磁性の由来は液相ではなく別の高温相へ転移したためと考えられる。この常磁性高温相の磁性は100Kまではキュリーワイス的な挙動を、ワイス温度が-90K程度の反強磁性的相互作用を有する。熱容量測定の結果、11K以下で反強磁性体に相転移することが明らかとなった。この常磁性高温相について数回の昇降温を繰り返したところ、270Kで常磁性→反磁性転移、346Kで反磁性→磁性転移を示した。また降温過程ではこの常磁性相は320Kで反磁性相へ転移することが明らかとなった。これらの複雑な磁気挙動には反磁性低温相、常磁性高温相の2つの固相と液相、さらには過冷却ならびに過熱現象が関与しており、系のG-T曲線を用いて容易に説明できることを明らかにした。 環状チアジルラジカル結晶BBDTA・MCl_4・(solvent)_xはBBDTAラジカルカチオン(S=1/2)と無機アニオンM(III)Cl_4^-との1:1錯体であり、様々な結晶溶媒を含む。我々はGaCl_4塩並びにFeCl_4塩から結晶溶媒を除去すると強磁性転移(Ga塩:6.7K、Fe塩:44K)を示すことを明らかにした。さらに再結晶法により溶媒分子を含まない単結晶の作成を行い、強磁性を示す塩の構造について検討した。その結果BBDTA分子は正四面体のGaCI_4アニオンを挟むように配置しており、この物質群に特徴的なface-to-faceの分子間配置を取っていない。分子間にはS\\\N相互作用により接触した部分が存在しており、[101]方向に1次元の磁気ネットワークを形成している。そのためSOMOの分子間での重なりが小さくなって分子間に強磁性的相互作用が実現していると考えられる。
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