研究課題/領域番号 |
13740394
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東北大学 (2002) 三重大学 (2001) |
研究代表者 |
西尾 悟 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40252340)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アブレーション / ポリペリナフタレン / ナノ微粒子 / Nd:YAGレーザー / 低次元グラファイト / ペリレン誘導体 / Cat-ablation / エキシマーレーザー / 低次元導電性高分子 |
研究概要 |
本年度は、Nd:YAGレザーの355nmを用い、ペリレン誘導体(PTCDA)とCoとの混合ターゲット(PTCDA/Co)のアブレーションにより低次元グラファイトであるポリペリナフタレン(PPN)ナノ微粒子の合成を試みた。PTCDA/Coターゲットを0.1〜0.5Jcm^<-2>pulse^<-1>のフルエンスでアブレーションすることにより、数十〜百nmのナノ微粒子からなる薄膜を得た。得られた薄膜に対してIR測定を行ったところフルエンスの上昇と共に側鎖に由来したピークの強度が減少していく様子がみられ、0.5Jcm^<-2>pulse^<-1>でPTCDA側鎖が完全に脱離している事がわかった。一方、同条件で作製した薄膜のラマン測定より若干のブロード化が見られるものの、いずれのフルエンスにおいてもペリレンに由来するピークが検出された。これらの結果より355nmでPTCDA/Coをアブレーションした場合、0.5Jcm^<-2>pulse^<-1>においてペリレン骨格を保持しつつ、側鎖が脱離したフラグメント種が基板上に堆積していることが明らかとなった。Coを加えることで側鎖の脱離反応が促進されることから、レーザー光を吸収したCoからイオン化により生成した電子がPTCDAに衝突し側鎖の脱離を誘起する、あるいは光熱的過程などの可能性が考えられる。27℃で作製した薄膜の[H]/[C]を調べたところ0.403という値となり、側鎖が脱離したPTCDAの理論値である0.400にほぼ一致し、脱離反応を支持する結果が得られた。また、300℃で作製した薄膜を調べたところ、1290cm^<-1>に鋭いピークを有するラマンスペクトルが得られ、その電導度は、27℃のものに比べ二桁ほど高い値を示した。これは温度上昇により重合反応が促進されπ共役系が発達した為であり、PPN生成を示唆する結果と言える。
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