研究課題/領域番号 |
13740413
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
山口 佳隆 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80313477)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | モリブデン / タングステン / 安定カルベン / イミゾダール-2-イリデン / イミダゾリウム塩 / モリブデノセン誘導体 / タングステノセン誘導体 / ジカチオン性錯体 / イミダゾール-2-イリデン / イミダゾリジン-2-イリデン / 非環状カルベン / 酸化的付加反応 |
研究概要 |
昨年度、モリブデノセン-カルベン錯体の合成に成功した。平成14年度は以下の点に関しての検討を行った。 モリブデンと同族のタングステンを中心金属に有するタングステノセン-カルベン錯体の合成を検討した。アニオン性のタングステノセン錯体[Cp_2W(H)Li]_4とイミダゾリウム塩との反応を検討したところ、Cp_2WH_2錯体と安定カルベンであるイミダゾール-2-イリデンの生成を確認した。続いて、光反応を行うことにより、Cp_2Wフラグメントに安定カルベンが配位した[Cp_2W(imidazol-2-ylidene)]錯体が生成した。しかし、本合成法においては、モリブデン錯体を用いた場合に比べ、長時間の光照射が必要であった。より簡便な合成法であるカチオン錯体を用いた合成を検討した。形式的にカチオン性錯体であるCp_2W(H)OTsとイミダゾリウム塩との反応を2当量の塩基(KO^tBu)共存下で行ったところ、目的錯体の生成を確認することができたが、同定不可能な化合物も生成した。モリブデンと異なり、タングステン錯体は合成が困難である結果となった。この理由として、出発錯体として用いたタングステン錯体の安定性が大きいためであると考えている。 ジカチオン性モリブデノセン-カルベン錯体の合成を検討した。カチオン性錯体[Cp_2Mo(imidazol-2-ylidene)R]^+(R=H,Me)と水素あるいはメチル基引き抜き剤(例えばPh_3CBF_4)との反応を行ったところ、ジカチオン性錯体の生成を示唆する結果が得られた。また、銀塩を用いた中性錯体[Cp_2Mo(imidazol-2-ylidene)]の2電子酸化を行ったところ、銀の析出を伴い、ジカチオン性モリブデノセン-カルベン錯体の生成を示唆する結果が得られた。現在、さらなる同定とジカチオン性錯体の反応性に関する検討を行っている。
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