• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

光競争下の草本個体の背ぞろいのしくみとその生態学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 13740434
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生態
研究機関東京大学

研究代表者

長嶋 寿江  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20323503)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード茎 / 力学的安定性 / 挫屈 / 折れ / 倒伏 / 風 / 縦弾性係数 / 破壊係数 / 一年生草本シロザ / 茎の高さ成長 / 光競争 / 個体の力学的安定性 / フィトクロム / エチレン / 群落
研究概要

草本植物シロザの群落上層を占める個体は、周囲個体よりも少しでも高いと伸長速度を低下させ、少しでも低いと伸長速度を大きくし、結果的に周囲個体と同じような高さになってしまう。わざわざ伸長速度を低下させる個体は、高い茎を作るかわりに太い茎を作っている。上層個体は、光を巡る競争よりむしろ、個体の力学的安定を重視しているようにみえる。
植物個体の力学的問題は、不明なことが多い。力学的失敗の種類には、自身を真直ぐ支えきれない(挫屈)、風などの負荷によって倒伏する、あるいは折れる、などが挙げられるが、植物はこれらのうちどの危険性にまず備えなければいけないかも明らかでない。そこで本年度は、まず、これらの問題を整理することにした。材料力学的理論に基づいて計算した結果、自重を支えるのに最低限必要な茎の太さを個体がもつものとすると、葉重と茎重の比率を固定した場合、個体の高さが高くなるほど耐えられる風速は大きくなることがわかった。しかし、高さが10-20mの個体でも、破壊が生じない風速は10-15m/sと台風時の最大瞬間風速よりもおおむね低く、植物の茎は、原則的に、風による折れに対して備えなくてはならないことが示唆された。しかし、草本など高さが低い場合は、挫屈しない茎の太さが比較的細いため、風によって変型してなびくことができ、このことによって風の力を逃がせることが示唆された。このため、草本では、風に対して折れないように茎を太くするよりも、なびいたときにお互い絡まりあって倒伏しないよう、ある程度の挫屈安全率をもつように茎を作るだけでいいことが示唆された。
ユトレヒト大学のN.P.R.Anten博士の助力によって行われた、タバコ(草本)を用いた風洞実験では、風速15m/sでも、風になびくことによって茎は折れないことが明らかになった。その強風では、葉がちぎれ飛び、茎よりも葉の損害が深刻だった。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書

URL: 

公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi