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水田生態系における人為的環境変動・撹乱に対するホウネンエビ集団の生活史進化

研究課題

研究課題/領域番号 13740442
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生態
研究機関香川大学

研究代表者

安井 行雄  香川大学, 農学部, 助教授 (30325328)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードホウネンエビ / 生活史 / 飼育法 / 生活史進化 / トレードオフ / 遺伝的多様性 / bet-hedging
研究概要

水田に生息する甲殻類ホウネンエビBranchinella kugenumaensis(Ishikawa)の生活史形質において,前年度までの研究で明らかにされた表現型多型(長期繁殖型と短期繁殖型)が生じる原因が,遺伝によるのか環境によるのかを実験的に明らかにするためには,大前提として供試個体を容易に入手する必要がある。そこで本研究ではまず、香川県木田郡三木町を流れる河川(吉田川、新川、鴨部川)の流域においてホウネンエビ長期繁殖型の発生が見られるかどうかを探索した。また表現型多型の生じる原因を明らかにするためには、これまで困難とされてきたコントロールされた環境条件下で個体を飼育することが必要である。そのため本研究では半野外条件および恒温室内での飼育技術の確立を試みた。野外の調査地においてホウネンエビの発生が確認できたのはM3地点(吉田川上流足田打)のみであった。M3での個体の成長は短期繁殖型のものと類似しており、河川上流部で長期繁殖型個体の発生を確認することはできなかった。しかし半野外環境下での飼育において、M1地点(吉田川上流朝倉)の土壌から長期繁殖型と思われる個体の発生が確認出来た。恒温室内での実験ではN20地点(琴電農学部前駅南西)の土壌を用いた。これは野外網室での半野外飼育の結果としてN20個体はM1やM3など山間部の個体と比べて環境順応能力が高いと考えられたからである。大型のプラスティックトレイ(924×610×200mm、容量79リットル)に水田土壌を入れ、水道水を加えて攪拌し、網室内に放置して自然の日射と温度変化に曝すだけで土壌中のホウネンエビ卵を孵化・成長・繁殖させることができた。またトレイの底に土壌を入れた状態であれば恒温室(27℃、16L8D)内で人工照明を当てた状態でもホウネンエビを飼育することができた。光条件(ライト1灯と2灯)と水質条件(ハイポネクス添加、乾燥酵母添加および無添加対照区)をコントロールした飼育実験で発生消長を調べたところ、ライトの照度と水質の違い、および雌雄の性差についていずれも体サイズにおける有意差を生じさせることができた。ライトは2灯が1灯よりも成体の体長を大幅に促し、また酵母添加区、ハイポネックス添加区、対照区の順でわずかずつ体長が大きかった。また雌は雄よりもわずかに大型であった。
本実験を通して、水中に土壌を残すという半人工条件とはいえ、これまでは困難とされてきたホウネンエビを飼育することに成功した。この結果、今後季節的要因にとらわれることなくホウネンエビを周年累代飼育することが可能となった。またその際、ライトの照射および酵母・ハイポネックスの添加を行うことは成長を促進する上で有効である。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 安井敏晃: "キーパーソン保険に関する一考察"香川大学経済論叢. 第75巻第4号. 231-252 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Yukio Yasui: "Female multiple mating as a genetic bet-hedging strategy when mate choice criteria are unreliable"Ecological Research. 16・4. 605-616 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Kazi Shahanara Ahmed, Yukio Yasui, Toshihide Ichikawa: "Effects of neem oil on mating and oviposition behaviour of Azuki bean weebil, Callosobruchus chinensis L. (Coleoptera : Bruchidae)"Pakistan Journal of Biological Sciences. 4・11. 1371-1373 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 安井行雄(青木淳一編22名の共著): "ダニの生物学"東京大学出版会. 448 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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