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海産甲殻類の生活史進化:ヤドカリ類の生活史形質の変異と生物・物理条件の関係

研究課題

研究課題/領域番号 13740443
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生態
研究機関高知大学

研究代表者

和田 哲  高知大学, 海洋生物教育研究センター, 助教授 (40325402)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード甲殻類 / 生活史進化 / 繁殖形質 / ヤドカリ / 資源配分 / 種間比較 / 地理的変異
研究概要

甲殻類では交尾(産卵)直前にメスが(1)常に脱皮する種、(2)常に脱皮しない種、(3)脱皮したりしなかったりする種がいる。これは甲殻類の生活史進化における興味深い現象だが、研究例はほとんどない。本研究ではヤドカリ類の生活史形質、とくにメスの交尾(産卵)直前脱皮と繁殖形質に着目して調査をおこなった。高知県中央部に位置する浦の内湾の転石海岸と高知県東部羽根岬に生息するホンヤドカリ、ユビナガホンヤドカリ、アカシマホンヤドカリ、カノコケアシホンヤドカリなどを対象として交尾直前脱皮の有無、脱皮当たり成長率、繁殖フェノロジー、産卵数、幼生艀化数を記録した。その結果、幼生艀化後すぐに新たな産卵をおこなう連続産卵メスよりも不連続産卵メスの方が交尾直前脱皮頻度が高く、この脱皮によって実質的な対サイズの増大が認められた。産卵パターン(連続か不連続か)や脱皮の有無による産卵数の違いは明らかではなかった。これらのことから、ヤドカリにとって交尾直前脱皮は繁殖成功度を高めるわけではなく、清澄を介して将来の生存率や繁殖力を高める機能をもつことが示唆された。さらに、脱皮と産卵の間にトレードオフ関係が成立していることが示唆された。しかし、ホンヤドカリとユビナガホンヤドカリを対象として、繁殖期を通して交尾直前脱皮と産卵パターンの関係を調べたところ、両種共に繁殖盛期に連続産卵メスの脱皮頻度が高くなった。このことは脱皮と産卵のトレードオフが単純な関係ではなく、水温や餌の質と量などの環境要因や産卵数などの内的要因の影響を受けていることを示唆している。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Wada, S.: "Reproductive characters and population structure of the subtidal hermit crab Pagurus ochotensis"Benthos Research. 56. 43-46 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Mima, A., H.Ohmori, S.Wada, S.Goshima: "Exposure to predators affects shell preference of the hermit crab Pagurus filholi"Benthos Research. 57. 85-89 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Mima, A., S.Wada, S.Goshima: "Antipredator defence of the hermit crab Pagurus filholi induced by predatory crabs"Oikos. 101(In press). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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