研究課題/領域番号 |
13740458
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三宅 親弘 九州大学, 農学研究院, 助教授 (80294289)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 光合成 / 環境ストレス / 植物 / 光傷害 / 活性酸素 / 菖蒲 / PSII / the water-water cycle / 光障害 |
研究概要 |
平成13年度、光合成速度が小さく、過剰な光エネルギーに常にさらされている菖蒲の生葉において、チラコイド膜光化学系II(PSII)内循環的電子伝達反応(CEF-PSII)が機能し、過剰な光エネルギーの安全な散逸をおこなっていることを示唆する結果を、菖蒲チラコイド膜を用いて得た。本年度は、以下に述べるように、CEF-PSIIが、葉緑体で実際に機能していることおよび過剰な光エネルギーの散逸に機能していることをチラコイド膜を用いて明らかにした。モデル葉緑体として、ホウレンソウ生葉から葉緑体を単離した。光合成電子伝達反応速度を酸素吸収速度[V(O_2)]、PSIIの電子伝達速度をクロロフィル蛍光解析により得られるPSIIの量子収率[Φ(PSII)]により評価した。CEF-PSIIの活性発現には、チラコイド膜のΔpH形成を要する。光照射下の葉緑体に、プロトノフォアを添加し、ΔpHを消失させると、V(O_2)の増大が認められるが、Φ(PSII)は減少した。これは、葉緑体でも、光合成電子伝達反応に関係しない電子が、PSII内で流れているつまりCEF-PSIIが機能していることを示す。CEF-PSIIの活性は、光強度の増大とともに増加し、過剰な光エネルギー散逸能をもつthe water-water cycleの活性に匹敵した(平成14年論文報告)。次に、CEF-PSIIの生理機能を明らかにするために、電子受容体濃度およびΔpHを調節することによりV(O_2)の値およびCEF-PSII活性を変化させ、チラコイド膜を光照射した。CEF-PSIIが機能しない条件下では、チラコイド膜の光合成電子伝達活性は速やかに失われ、これはPSIIの光失活によるものであった。つまり、CEF-PSIIが、実際に過剰な光エネルギーの散逸に機能することが明らかになった(平成15年論文報告in press)。
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