研究課題/領域番号 |
13740471
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松田 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30282726)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | モノアミン / 乳腺 / 形態形成 / プロラクチン / ドーパミンβ水酸化酵素 / トリプトファン水酸化酵素 / 代謝 / 酵素活性 / 細胞培養 |
研究概要 |
ドーパミンβ水酸化酵素(DBH)類似遺伝子であるDBH-likeとモノオキシゲナーゼX(MOX)の機能解析を目的として、それぞれの遺伝子産物のC末端をHisTag標識したタンパクを薬物存在下で誘導的に発現する細胞株を構築した。細胞は、MOXおよびDBH-likeの発現により退縮や剥離がみられ、遺伝子発現誘導後4時間以内にほぼ全ての細胞がアポトーシスを起こすことが判明した。他方、DBH遺伝子を導入した細胞では、一部の細胞がアポトーシスを起こすだけであった。また、遺伝子発現誘導後の細胞からは、膜画分に約70kDaの目的産物が確認された。産物を精製し、DBH酵素活性の指標となるチラミンβ水酸化酵素(TBH)活性を測定したところ、活性が検出された。しかし、産物が分泌されず、産生すると細胞が死ぬために大量産生が難しく、より詳細なデータを得るには、今後のより大スケールでの培養実験が必要である。一方、カテコールアミン合成関連酵素群の発現に対するプロラクチン(PRL)の影響を、乳腺上皮・間質の初代培養細胞およびHC11細胞株において調べた。その結果から、PRLは乳腺の上皮細胞に働いてチロシン水酸化酵素(TH)およびMOXを発現する細胞を分化させ、その上皮細胞で産生されたカテコールアミンは、間質の脂肪分解などにはたらき、間質から上皮に脂質栄養が分配される、といった上皮・間質の相互作用が示唆された。他方、PRLは上皮・間質のDBH発現の減少に働いたことから、発達した乳腺以外の組織では、PRLはカテコールアミン産生を抑制して脂肪蓄積に寄与する可能性が示された。そのほか、本研究によりCBP90やC型アルドラーゼなど、従来は中枢神経系でのみ発現することが確認されていたタンパクが、発達した乳腺上皮で機能していることが明らかとなり、乳腺が中枢神経系で働く遺伝子セットを利用して形成された進化の歴史が示唆された。
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