研究課題/領域番号 |
13740476
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
|
研究機関 | 高知大学 (2002) 北海道大学 (2001) |
研究代表者 |
湯浅 創 高知大学, 理学部, 助手 (40322797)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | カルモジュリン / 分子進化 / 無脊椎動物 / 遺伝子構造 / イントロン / II型カルシフォシン / トロポニンC |
研究概要 |
トロポニンC(TnC)やカルモジュリン(CaM)を含むTnCスーパーファミリー遺伝子群は、基本的に5つのイントロンを持ち、内4つの挿入位置は分子種間でも保存されている。一方で第4イントロンのみは分子種間・内で挿入位置の相違が頻繁に観察され、また原始的な海綿動物や刺胞動物のCaM遺伝子ではこれに相当するイントロンが見出されない事から、筆者は「ファミリーの共通祖先遺伝子には第4イントロンは存在せず、各分子種の進化過程で独立に獲得されてきた」との仮説を提唱してきた。今回、CaM遺伝子の進化をより詳細に探る為、棘皮動物(ウニ)CaMの遺伝子構造の解析を行った。ウニCaMは選択的スプライシングにより長さの異なる2種のCaMを発現し、これは他の後生動物においては見出されていない珍しい例である。また第4イントロンが存在したが、脊索動物CaMとは異なる位置に挿入されており、これは棘皮/脊索が分岐した後、各々の系統で独立に第4イントロンが獲得された為であると考えられる。以上の結果に関しては現在投稿準備中である。 また海綿動物CaMのクローニングの際に副産物として新規Ca結合タンパク質を同定・II型カルシフォシンと命名した。分子系統樹及び遺伝子構造の比較などから、これは従来哺乳類のみで見出されたいたカルシフォシン(I型カルシフォシン)と近縁ではあるが、より保存性が高く(海綿動物と脊椎動物の間でアミノ酸レベルで60%もの相同性を示す)、また後生動物に広く分布している可能性が示唆された。以上の結果はGene誌に発表済みである。
|