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筋骨格系の形態的制約に基づく霊長類の樹上四足歩行シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 13740496
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 人類学(含生理人類学)
研究機関京都大学

研究代表者

荻原 直道  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70324605)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード歩行シミュレーション / 霊長類 / 4足歩行 / 神経回路モデル / 形態 / 身体構造制約
研究概要

化石から類人猿の運動を推定することは,ヒト化における運動様式の進化とその要因を解明する上で極めて重要である。従来,現生霊長類の骨形状・骨格構造と化石形態の相関から,このような運動推定は行われてきた。しかし,形態学的手法のみでは,その大まかな移動様式を推定できても,そのダイナミックな運動を再現し,視覚化することは困難であった。そのため本研究では,霊長類の形態・構造的制約から,霊長類の四足歩行運動を再現するシミュレーションモデルの構築を行った。具体的には,4足性の霊長類の例としてニホンザルの3次元筋骨格モデルを構築し,4足歩行を生成しうる新しい神経回路モデルの実装を試みた。
筋骨格系は16節3次元剛体リンクモデルとしてモデル化し,運動方程式を導出した。各節の慣性パラメータは各節を楕円錐台と近似して推定して運動方程式に入力し,ニホンザルの身体運動を計算,可視化した。一方神経系については,歩行の基本的リズムを生成する神経発振回路に,姿勢を安定に保つよう四肢を協調的に動かす姿勢制御神経系を統合した,新しい神経回路モデルを提案し,それを身体力学系に実装した。これは,従来提案されている動作生成手法とは異なり,身体の構造的制約に則った運動を自律的に生成しうる。そのため,例えば体節長や関節可動域などを変化させたときの運動変化の推定が可能となる。
本モデルを用いて,自律的な運動生成を試みた結果,外乱に対して適応的に姿勢を保持した歩行を生成することができた。生成された歩行は,現在のところニホンザルの実歩行計測データと一致するものではないが,本モデルは従来手法にない優れた適応性と,視覚制御との統合や様々な移動様式への対応など高い拡張性を有している。すなわち本提案のモデルは,人類学的視点からの運動復元に留まらず,霊長類の歩行メカニズムの進化過程の解明に向けた研究への応用も可能であり,今後の多様な発展性を示唆した。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ogihara N., Yamazaki, N.: "Towards emulating adaptive locomotion of a quadrupedal primate by a neuro-musculo-skeletal model"Proc. 2^<nd> International Symposium on Adaptive Motion of Animals and Machines. FrA-K9. 1-8 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Ogihara N.: "Computer Simulation of Postural Control of a Quadrupedal Primate"Anthropological Science. 111. 120 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原直道: "四足性霊長類の姿勢制御神経回路モデル"第23回バイオメカニズム学術講演会予稿集. 187-190 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原直道, 濱田穣: "ニホンザル肩関節可動特性の計測"霊長類研究. 18. 377 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原直道, 樫村裕也, 石田英實: "ヒトの垂直立位の姿勢安定性-類人猿型屈曲立位との比較-"霊長類研究. 19(印刷中). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原直道, 山崎信寿: "運動のし易さの脳内表現とその自己組織化"バイオメカニズム. 16(印刷中). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原直道, 山崎信寿: "身体の構造制約に基づく自然な上肢リーチング動作の生成"日本機械学会論文集. C67. 2314-2320 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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