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導電性LB膜の電子物性制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13750008
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 応用物性・結晶工学
研究機関東京商船大学

研究代表者

大貫 等  東京商船大学, 商船学部, 助手 (60223898)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードラングミュア・ブロジェット膜 / LB / FET / 電界効果 / 移動度 / TCNQ / ラングミュア・プロジェット膜 / TTF / 分子エレクトロニクス / 電荷移動錯体
研究概要

前年度に引き続き、電界効果トランジスター(FET)型基板を用いたLB膜の外部電場による電子物性制御の研究を行った。それまでに我々はEDT-TTFと脂肪酸から成るLB膜の電界効果特性を見いだしていた。しかし、絶縁層として用いている酸化アルミニウム層の良質な薄膜形成が非常に困難である点と、素子に流れるキャリアの移動度が非常に低い点が問題となり、本年の研究ではこれら問題点の解決に主眼を置いた。試行錯誤の末、絶縁層として酸化シリコンを使用し、LB膜の構成分子としてアクセプター系のTCNQ誘導体を用いることで、安定なゲート絶縁性とキャリア移動度の大幅な増大が見られることが分かった。また真空下で計測できるよう測定系を再構築したところ、素子特性の再現性が非常に良く取れることが明らかにされた。以下に、作成されたFET素子の特性および評価結果を示す。
長鎖アルキル基を有するTCNQ誘導体LB膜ではnチャンネル型のFET出力特性が得られることが、今回初めて明らかにされた。しかし、そのキャリア移動度は長鎖アルキル基の長さによって大きな差があることも分かった。すなわち、偶数個の炭素原子からなるアルキル基を有するLB膜では、移動度が約1x10^<-5>cm^2V^<-1>s^<-1>とLB膜としては比較的大きな値を示すが、奇数個のそれでは移動度が上記値の約1/5以下に低下してしまう。移動度低下の原因をさぐるため、これら試料に関してX線回折法による膜構造の解析を試みた。その結果、奇数個炭素から成るアルキル基を持つ分子のLB膜では、アルキル鎖部分の偶奇効果によるパッキング構造の乱れを引き起こしており、この乱雑な構造がキャリア移動度を大きく減少させていることが明らかになった。以上の結果は、より整った膜構造を実現すれば、さらに高いFET特性が得られるであろうことを示唆している。これらの研究成果はInternational Conference on Science and Technology of Synthetic Metals 2002および第50回応用物理学関係連合講習会において公表された。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Ohnuki, M.Suzuki, Y.Ishizaki, T.Imakubo, T.Ida, M.Izumi: "Formation of spontaneous charge-transfer salt in the molecular system of EDT-TTF and long alkyl-chained sulfonic acid"Synthetic Metals. 137. 927-928 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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