研究課題/領域番号 |
13750030
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中嶋 薫 京都大学, 工学研究科, 助手 (80293885)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | シリコン表面 / 酸化初期過程 / 高分解能RBS |
研究概要 |
シリコン(111)単結晶表面の酸化初期過程を高分解能RBS法で観察した。実験は、まず超高真空中で準備したシリコン(111)清浄表面を、室温で真空槽内に導入した高純度酸素ガスに曝し、酸素ガスの曝露量とシリコン表面に吸着した酸素量の関係を調べた。その結果、曝露量10L以上において、酸素吸着量約0.8ML(面密度6.3×10^<14>cm^<-2>)で飽和することがわかった。これはシリコン(111)清浄表面のシリコンアドアトム(面密度1.9×10^<14>cm^<-2>)1つに対し、3,4個の酸素原子が結合していることを示す。また、次の実験によって酸化生成物の反応性について調べた。超高真空中で準備したシリコン(111)清浄表面を質量数18の酸素ガスに曝して、わずかにシリコン表面を酸化させる。その後、シリコン試料を超高真空中に放置し、真空中にわずかに存在する残留ガス(水分子または酸素分子)による酸化量を測定した。その結果、酸素18の吸着量が0.2-0.3MLの場合、残留ガスによる酸化が、合計の酸素吸着量が約0.4MLに達するまで速やかに進行することが見出された。また酸素18の吸着量が0.1ML程度のときは、残留ガスによる酸化も0.1ML程度に留まった。これから、初期酸化生成物は残留ガスとの反応性が非常に高いことがわかり、初期酸化生成物の構造の特定に重要な情報を与えると考えられる。以上の結果を平成13年9月に開催された日本物理学会2001年秋季大会(講演番号20aTF-6)で発表した。また学術雑誌への投稿を準備中である。またシリコンの酸化におけるシリコン酸化膜とシリコン基板におけるシリコン格子間原子の挙動を調べる準備として、シリコン結晶中にゲルマニウムのデルタ層を作製する研究を行った。その結果を第15回イオンビーム分析に関する国際学会(2001年7月、オーストラリア、ケアンズ市)で発表した。
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