本研究者が提案している「新方式のレーザー干渉装置を用いたフェムト秒レーザーアブレーション加工」について、以下の研究・開発を行った。 1.透過型回折格子及びイメージング光学系を用いた広範囲に渡るフェムト秒レーザー干渉装置の開発 2.2光束干渉を用いたグレーティング構造の作製 3.4光束干渉を用いたマトリクス構造の作製 1.について、構成した装置を用いて実際に加工を行う事によって、2002年度末において世界最長となる6mmの周期ドット構造をシングルショットで加工することに成功した。本装置は回折格子を選択することで、多光束干渉一般に応用することが出来る。さらに、試料内部に集光することで内部加工に成功した。材料には、金薄膜、合成石英、サファイア、ポリスチレン、アクリル、スライドガラス等を用い、それらの加工に成功した。 2.について、1.で開発した装置に試料スキャン装置を組み合わせることで、任意の間隔を持つ周期ドット構造及びグレーティング構造を作製した。これらは透過・反射型回折格子として動作し、周期が縦・横方向共に均一であることが証明された。また、フルエンスを減少させることで、幅約380nm、深さ約11nmの溝の作製に成功した。 3.について、1.の装置を4光束干渉型に拡張することにより、シングルショットでマトリクス穴構造を作製することに成功した。ここで、縮小光学系を用いることで、ドット間隔1.7μm、穴径800nmの構造を作製することに成功した。
|