研究課題/領域番号 |
13750059
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工学基礎
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石原 卓 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10262495)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 一様等方性乱流 / 大規模データ / 高レイノルズ数 / 直接数値計算(DNS) / フーリエ・スペクトル法 / 非圧縮性流体 / 大規模数値計算 / 乱流 / データ公開 / 可視化 / 動画 |
研究概要 |
乱流の直接数値シミュレーション(DNS)は、実験における測定誤差やデータの不確定性等の問題とは無縁の正確で詳細な乱流データを提供する。ただし、DNSにより微細な渦構造にいたる小スケールまで正しくシミュレートし、高レイノルズ数の乱流を実現することは、高速で大容量の計算機を必要とするため非常に困難であった。しかし、近年のスーパーコンピュータの目覚しい発達により数年前とはけた違いに巨大な自由度を高速に扱うことが可能となってきている。 私は、日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業「計算科学」プロジェクトの一つである「地球規模流動現象解明のための計算科学-数理・物理モデルと計算アルゴリズムの開発(研究代表者:金田行雄教授)」において、開発する乱流モデルの検証を行うため、大規模な乱流のDNS(格子点数1024の3乗)を実行し、乱流の大規模な基礎データの構築を行った。得られた乱流の大規模な基礎データを乱流研究者の間で有効に共有する方法を開発することを目的として、平成13年度には(1)必要とされるデータの調査、(2)データの試験的な共有、(3)データの可視化、(4)時系列の動画作成のための技術開発を行った。 平成14年度は、上記(1)-(4)の知見と技術を用いてデータを整備し、Web (http://www.fluid.cse.nagoya-u.ac.jp/~ishihara/cgi-bin/dns.html)にて試験的なデータ公開を行った。また、名古屋大学と東北大学間のデータ転送の実験結果は、67MBの転送に75秒かかるというものであった。これにより1024の3乗の乱流速度場を完全に再現しうる必要最小限のデータ(8GB)を転送するのに約2時間半かかることが分かった。平成14年度はまた、地球シミュレータ(ES)のグループと協力し、ESを用いた世界最速の乱流DNS(格子点数2048の3乗、16.4TFlops)および、世界最大規模(格子点数4096の3乗)の乱流DNSを実現した。このけた違いに大規模な乱流のDNSデータの共有は、スーパーSINET上のGrid技術を用いることにより実現しうるという感触を得ることができた。
|