研究概要 |
咋年度においては,粒子充てん構造物の騒音特性および減衰能発生に関する考察をした.また,低減衰能から高減衰能,線形振動,非線形振動と減衰特性が非常に広範になる場合においても的確かつ簡便に減衰特性の評価を行なうことができる評価法について検討した.さらに,制振材料の適用によるさらなる特性改善を目的として,使用する制振材料の検討および制振材料を充てんした際の気泡除去を作製した.本年度においては,まず制振材料のみを充てんした場合の減衰特性に及ぼす制振材料の硬さの影響を調べた.その結果をもとに,制振材料と鋼球を充てんした場合の減衰特性に及ぼす制振材料の硬さおよび鋼球の粒径の影響について検討した. 1.制振材料充てん構造物の減衰特性 (1)制振材料の硬さ測定 2種類の制振材料を用いて硬さを変化させ、硬さ測定はデュロメータ(ASTM D2240準拠)により行なった. (2)減衰特性に及ぼす制振材料の硬さの影響 制振材料が硬い場合において剛性の向上が確認できた.一方,減衰能は,硬すぎても柔らかすぎても向上されにくく,中間程度の硬さにおいて向上されることなどが明らかになった. 2.制振材料および鋼球を充てんした構造物の減衰特性 (1)粒径の影響 剛性および減衰能の向上に有利と考えられる2種類の制振材料を用いて,充てん粒径を変化させた場合の減衰特性を調べた.減衰特性は,制振材料の硬さおよび粒径によって大きく異なるなどの知見が得られ,適切な条件にすることにより著しく減衰能を向上させることができることがわかった. (2)モデル化による減衰能向上の原因追求 モデル構造物を一自由度系にモデル化し,粒子の挙動を調べることにより減衰能向上の原因について検討した.制振材料のばね定数を実験により求め.計算した固有振動数と実験により求めた構造材の固有振動数の比較を行なった.
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