研究概要 |
本研究では歩行子を適用対象とし,歩行面の凹凸により生じる急激な負荷変動だけでなく,予期せぬ急激な負荷変動に対応でき,なおかつエネルギー効率に優れたアシスト技術を開発することを目的とし,本年度は人間とアシストするアクチュエータの二つの動力を結合する方法として,(1)二つの動力の間にトルクは従属であるが速度が独立な結合方法,(2)トルクは独立であるが速度が従属な結合方法,(3)アクチュエータを二つ用いることでこれら二つの結合方法を組合せた方法について,それぞれ最適な制御方法を検討するとともに,歩行椅子の加速・減速や定常歩行中等の様々の駆動条件に対する最適な動力結合方法と制御方法について検討した. また,人間のクランク駆動特性として,クランクの角度に対する人間の駆動力の大きさの関係を実験的に把握し,これが周期的であることから,この駆動力の変化と歩行椅子の負荷変化を対応させることでアクチュエータのエネルギー消費を抑える方法について検討した.さらに摩擦やがた等の不確定性の影響の小さい駆動系の設計を行い,実験装置の修正を行うとともに,これら不確定性を含む系に対して強化学習を適用することで安定した制御を実現する方法について検討した. 危険回避機能については,負荷変動をその要因が歩行面凹凸によるものと周囲の環境との予期せぬ接触によるものとの判別を含めて高速かつ高精度に検出する方法として生物の反射運動の考えに基づく反射制御の適用について検討を行った.
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