研究概要 |
本研究では,安定した薬液の輸液システム開発をはじめ様々な分野で応用可能な液滴制御の基礎的研究として,準静的な状態からのサテライトを含む液滴形成過程の挙動を観察されたとともに,流れがある場合の液滴形成に及ぼす液滴形成部出口形状の影響について調べられた.主として液滴質量と液体の粘性及び表面張力,流量の関係が調べられ,また高速度ビデオカメラ撮影による挙動観察からサテライト液滴の形成条件についても議論された.主な結果として次のことが明らかとなった.高速度ビデオカメラにより主液滴分離の瞬間の前後のみならず,液滴形成の一連の様子が観察された.水の条件ではリキッドブリッジは自己相似を保ちながらサテライト液滴を形成するが,その後,サテライト液滴からさらに小さな液滴が分離すること,準静的条件下では主液滴は表面張力に比例して大きくなること,液体の粘性が大きくなるにつれリキッドブリッジは長くなり,それに伴ってサテライト液滴体積も大きくなること,流量-液滴質量曲線は出口内径と外形の比に依存することがわかった.さらにSTAR-CDによる主液滴の体積予測の可能性を示された.
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