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トップヒートモードで作動する伝熱促進素子の動作特性

研究課題

研究課題/領域番号 13750177
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 熱工学
研究機関東京都立大学

研究代表者

山口 義幸  東京都立大学, 工学研究科, 助手 (10244419)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード伝熱促進 / 熱収縮 / 上部加熱水槽 / 逆自然対流 / 相変化物質 / 動作模擬装置
研究概要

本研究は上方で加えられた熱を下方へ効率よく輸送するシステムの開発に関する研究である.本研究課題では特に,加熱により可逆的に収縮する密閉容器(以下,NTEカプセルと呼ぶ)について,安定した動作を行う機構を開発し,その動作特性を実験により明らかにすることを目的とする.申請者はこれまでに,形状記憶合金製のばねを用いて温度が上昇すると密閉容器内の空気を圧縮する装置を考案した.しかし,水中では水圧によって密閉容器が押され,得られる浮力が減少するため,水槽が深くなると,密閉容器が膨張出来ず動作が不安定になり,最悪の場合再浮上しなくなるという欠点があった.そこで申請者は,形状記憶合金ばねに替えて相変化物質(使用温度の高温側で蒸発する液体)を用いたNTEカプセルを考案した.この新型NTEカプセルは,空気を充填した大きな密閉容器の圧縮・膨張を小さな密閉容器内の相変化物質の蒸発・凝縮によって行い,装置に作用する浮力を変化させる仕組みで,形状記憶合金を用いたNTEカプセルの欠点を克服すると期待されるが,実機による検証実験ははまだ行われていなかった.そこで平成13年度は,相変化物質を用いたNTEカプセルを製作して,水深1mの水槽において動作を確認した.
本年度は深い水槽中での相変化物質を用いたNTEカプセルの動作特性を,動作模擬装置(シミュレータ)を用いた模擬実験により調べた.PCMを用いたNTEカプセルは水深の深い水槽でも動作することが特徴であるが,その動作確認を実際の伝熱管と同様の上下に長い水槽をいて行うことは非能率で,現実的でない.そこで,装置を固定し周囲環境をコントロールして装置に作用する浮力および温度・圧力を計測するようなシミュレータを開発し,深い水深でも充分な浮力を得るための条件を調べた.
シミュレータは圧力容器とコンプレッサー,クーラ,ヒータおよび温度を均一にするための攪拌機からなり,圧力容器内にNTEカプセルを,支持棒を介して細紐で水中に吊り下げた.測定項目は,圧力容器内の温度・圧力,空気および相変化物質を充填したそれぞれの伸縮密閉容器内の圧力・温度およびNTEカプセルに作用する浮力である.浮力は支持に作用する荷重の変化を,ロードセルを用いて検出することで測定した.その結果,・実験に使用したNTEカプセルは,3mの水深までは特別な調整をしなくても浮上可能であること.
・NTEカプセルの浮力は,周囲流体の温度変化に応じて,ほとんど遅れなく変化すること.などが,明らかになった.
ただし残念ながら,使用したヒータおよびクーラの容量が充分でなく,NTEカプセルの沈降/浮上をリアルタイムでシミュレートするまでには至らなかった.これについては,ヒータおよびクーラを容量のより大きなものに交換し,さらに温度制御を圧力容器内だけでなく圧力容器内外周からも行うことで,リアルタイムの動作模擬試験が可能になると考えている.

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山口義幸, 高梨耕史: "PCMを用いたNTEカプセルの開発"第39回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 1巻. 125-126 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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