研究概要 |
空気圧シリンダを用いたリハビリ支援用ロボットアームの性能評価をより一般化するために,スティフネス制御を用いて立ち上がり動作をアシストする実験を多くの被験者に対して行った.被験者の各関節の動きを画像計測し,膝で発生しているトルクを推定することで,アシスト力を定量的に評価した. また,ロボットの軽量化を図るために,アクチュエータに空気圧ゴム人工筋を用いたロボットアームを設計製作し,その制御を行った. その結果以下の知見を得た. 1)被験者の体重差が1.5倍あると,同一の制御パラメータではアシストの割合が2倍程度異なることがわかった.体重が重いほど,同一の条件下ではアシスト率が小さくなる. 2)上記の結果より,被験者の体重が既知である必要がある.地面に水平になるように制御されたアームに被験者がもたれかかった時,45kgから95kgの被験者に対して体重とシリンダにかかる力には多少のばらつきはあるもののほぼ比例関係にあることがわかったことから,シリンダの圧力差から体重を推定するシステムを構成した. 3)チューブ自体に繊維が編みこまれた一体型となっている,新型の空気圧ゴム人工筋を用いたロボットアームを設計製作し,従来の空気圧シリンダを用いたロボットに比べ大幅に軽量化できることを示した. 4)設計製作したロボットアームの制御系方法としては拮抗駆動する2本のゴム人工筋の内部圧力差を制御するPI圧力制御系のマイナーループと微分先行型PI-D位置制御系からなるカスケード制御系を構成し,良好な位置決め制御が可能なことを明らかにした.
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