研究概要 |
介助犬は,身体障害者を助けるように訓練された犬であるが,高齢化社会が進行している我が国において,今後,高齢者が在宅生活を送る上でも必要とされるであろうと考えられる.しかし,介助犬の数は僅かである.そこで,介助犬の役割を果たすロボットを開発し,来る超高齢社会に工学的立場から寄与することを考えている. 介助犬ロボットのような人間と共存し,人間と協調して動くロボットを開発する上で,ロボットと人間とのコミュニケーションをどの様にとるかが重要な問題となる.特に人間の感性を考慮した場合,人間の意志通りにロボットが駆動でき,さらに人間に対して優しく(柔らかく)駆動することが重要である. そこで,本研究では,今年度,ロボット本体に取り付けた力センサにより,人間とロボットとの相互作用力を計測し,その力に対応した位置指令型インピーダンス制御を用いて,あたかもロボット本体にバネ・マス・ダンパーが仮想的に付いているかのようにロボットが動く柔軟な制御を実現できるロボットを機能試作した.これにより,人間の意志を相互作用力としてロボットに入力でき,位置指令型インピーダンス制御によりロボットは柔らかさを持って駆動する.さらに,位置指令型インピーダンス制御におけるバネ・マス・ダンパーは仮想的なものであり,コンピュータ上でこれらの値を変更することが可能であり,利用者の好みなどに合わせてロボットの柔軟性を変えることが可能である.機能試作したロボットを用いて実験を行い,その有効性などについて検討した.
|