研究課題/領域番号 |
13750242
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 亮 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90323443)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 非熱平衡プラズマ / パルスコロナ放電 / OHラジカル / オゾン / レーザ誘起蛍光法 / レーザ吸収法 / トリクレン |
研究概要 |
大気中パルスコロナ放電下でOHラジカルとオゾンをその場計測で測定し、両者の生成量と放電後の挙動を調べた。OHラジカルやオゾンは、大気放電の酸化反応プロセスで重要な中間種であると考えられており、この実験により大気放電の酸化反応に関する知見を得ることができる。実験では25本の針電極と平板電極を用いた多針-平板電極を用い、15-30kVの正極性パルスを印加した。電流のパルス幅はおよそ100ns程度である。OHは波長可変KrFエキシマレーザ(248nm)を用いたレーザ誘起蛍光法(LIF)で測定し、オゾンは同じレーザを用いた吸収法により測定した。 測定の結果、OHは放電終了後10μs程度一定の濃度を保ち、その後減衰することが分かった。LIFの測定値から、OHの絶対密度を求めることに成功した。減衰は窒素雰囲気ではOHの再結合反応によるもので、再結合反応定数は文献値とほぼ等しい8x10^<-12>cm^3/s程度であることを示した。酸素が雰囲気ガスに加わると、OHの減衰速度が速くなることを示した。 オゾンの測定では、乾燥空気中ではオゾンは放電後30μs程度の時定数で生成されることを示した。このオゾンの生成時定数が、水蒸気を雰囲気ガスに加えると減少し、オゾンの生成量も減少することを示した。オゾンはOラジカルと酸素原子の反応で生成されると考えられている。水蒸気を加えるとオゾンの生成が減少するが、この原因が、水蒸気の添加によりOラジカルの減衰が加速され、その結果オゾンの生成量も減少することを示した。また二次元吸収法によりオゾンの二次元分布も計測し、オゾンが放電後拡散により広がっていく様子を観測した。
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