研究課題/領域番号 |
13750268
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
渡辺 真志 信州大学, 繊維学部, 助手 (90301209)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アクチュエータ / ポリウレタン / ポリピロール / 曲げ電歪 / 空間電荷 / 電歪 / 人工筋肉 |
研究概要 |
ポリウレタン曲げ電歪アクチュエータについて(1)シワのよったポリピロール電極の適用および(2)駆動メカニズムの解明について検討した。 まず、シワのよったポリピロール電極は、次のような方法により作製した。まずポリウレタン膜を延伸し、その状態でポリピロールの化学重合を行う水溶液に浸した。40分後取り出すとポリウレタン膜表面にポリピロールが堆積した。その後延伸を解除するとポリピロールにシワが形成された。電極のシワは、シワが伸び縮みするために電極に伸縮性を与え、結果としてアクチュエータの変形を増大させると予想されたが、実際、変形は増大した。また、酢酸ナトリウムをポリウレタンへドープしたところ変形が増大した。その結果、ドーピングと電極のシワの両方の効果でアクチュエータの性能は大幅に向上した。具体的には、短冊状のアクチュエータ(25×5mm、厚さ0.2mm)の場合、1000ボルトの印加で屈曲変形し、その曲率半径は7mmに達した。 次に駆動のメカニズムについて調べた。まず最初に、電圧印加によるアクチュエータの屈曲方向(正極側に曲がるか/負極側に曲がるか)を、ポリウレタンの化学構造によって作り分ける事を検討した。その結果、電気化学的に酸化されやすい部分構造を導入すると正極側に屈曲するものとなり、逆に還元されやすい構造を導入すると負極側に屈曲するようになった。次に、電圧印加中のポリウレタン膜内の空間電荷分布を調べた。その結果、当初の予想通り、空間電荷がアクチュエータの駆動と密接な関係にある事が示された。すなわち、正極側に屈曲するポリウレタンでは、正の空間電荷が負極の内側に蓄積され、逆に負極側に屈曲するポリウレタンでは、負の空間電荷が正極の内側に蓄積されるという対応が見い出された。このことは、蓄積された空間電荷がアクチュエータの駆動の要因である事を強く示唆している。
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