研究課題/領域番号 |
13750288
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
倪 宝栄 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10248536)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Bi-2212超伝導厚膜 / MgO微粒子 / 臨界電流密度 / 磁束ピン止め特性 / スケーリング / NiO層 |
研究概要 |
本年度は、Bi-2212超伝導厚膜に導入されたMgO粒子の存在形態を詳細に調べ、臨界電流密度との関係を磁束ピン止め効果の観点から考察することを主な目標としている。具体的な研究実績は以下の通りである。 作製された試料に対して基本的な超伝導特性のチェック(臨界温度や磁化等の測定)と同時に、本学の電子線マイクロアナライザ(EPMA)およびX線回折分析装置(XRD)により、試料の組成や微細組織に対して分析を行った。その結果として、MgO微粒子は比較的均一に試料全体に分布しており、比較的大きい粒子(≧0.2μm)は、化学反応などによる体積の変化が見られず、その多くはBi-2212結晶粒間に観測されている。 臨界電流特性の評価は主に直接通電法により行った。高磁界における通電法は東北大学金属研究所や九州工業大学情報工学部松下研究室の大型マグネットを利用することにより実現した。また、低磁界での広範な温度における測定及び解析等は本研究室現有の超伝導マグネットや、本科学研究補助費により導入した実験装置及びパソコン等を用いて行った。昨年の研究実績を基に、本年度はさらに以下のことが明らかになった。 ●MgO微粒子の添加による臨界電流密度の向上効果は、数体積パーセント以内の範囲で、MgOの添加量にほぼ比例して大きくなる。これは従来の磁束ピン止め理論とほぼ一致する結果であり、MgO微粒子の磁束ピン止め中心とした役割が強く示唆されたものである。 ●さらに、磁束ピン止め力密度の磁界依存性において、いわゆるスケーリング現象が観測され、既存のピン止め理論による分析が可能であることが確認された。スケーリングにより得られたピンパラメータの数値は、金属超伝導体などにおける常伝導析出物によるピン止めのとほぼ同程度であることから、MgO微粒子は有効なピン止め中心であることが裏付けられた。
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