研究課題/領域番号 |
13750290
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
羽渕 仁恵 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 講師 (90270264)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 光吸収スペクトル / 光てこ法 / フラーレン薄膜 / C60薄膜 / 光熱ベンディング分光法 |
研究概要 |
半導体等の薄膜試料の光吸収測定は、薄膜の吸収量が少ないため特殊な測定法を必要とする。その上、低温の薄膜の光吸収測定を高感度に行うには困難である。本研究は、光吸収光てこ法を応用した光熱ベンディング分光法を拡張し、低温で光吸収スペクトルが測定できるようにすることである。本研究で得られた内容を以下に示す。 1.液体窒素によって冷却されたフラーレン薄膜の光熱ベンディング分光法で光吸収スペクトルを測定した。試料の光吸収係数αと試料の膜厚dとすると、感度αd〜10^<-3>まで測定可能となった。試料の基板には、マイカ(25μm)およびAF45ガラス(50μm)を用いたが、基板は薄いほど感度がよいことが分かった。 2.レーザ光を照射する基板表面にアルミニウムを蒸着した試料では、測定感度の向上がみられた。また、レーザ光としてHe-Neレーザおよび半導体レーザを用いたが、半導体レーザを用いた方がロックインアンプの出力は安定し、感度の向上がみられた。さらに、光チョッピング周波数を変化させて行った結果、3Hz以下では、出力信号は安定しないことが分かった。これは、液体窒素の煮沸音による振動の影響を受けていると考えられる。 3.フラーレン薄膜の低温光吸収スペクトルでは、1.74eV付近に弱い光吸収ピークが観測された。このピークは室温ではフラーレン薄膜の裾吸収によって隠れてしまい測定できないが、低温にすることによって裾吸収の傾きが鋭くなり、観測できるようになった。この実験から、フラーレン薄膜は弱い光照射により、局在準位を形成していることが確認できた。
|