研究概要 |
本研究の目的は,申請者らが開発したアルミニウム中空ファイバを用いて157nm-F_2エキシマレーザ光を効率良く伝送するシステムを実現することである.製作条件などを実験的に検討することにより表面粗さを低減して,より低損失な中空ファイバの実現を目指した.また,現状では内径0.7mmのファイバが最小となっているが,0.5mm以下の内径をもつファイバは,曲げによる損失変動が小さいことが期待されるため,細径ファイバ製作のための検討も行った.主な成果は以下のとおりである. 1.中空テーパ型入射結合器の製作と評価 中空テーパ型結合器を,パイレクスガラスチューブを延伸したテーパ型チューブの内面に,アルミニウム薄膜を形成するという手法で製作し,その特性について評価を行った.その結果,中空ファイバへ光を入射させる際のファイバ端面の損傷を抑えることが可能となった. 2.伝送システムの構築と総合評価 中空ファイバに保護用ジャケットを装着し,ガス導入機構や,テーパ型入射結合器と組み合わせて一体化した伝送システムを構築した.エキシマレーザを用いてこの伝送装置の評価を行ったところ,ジャケット装着時のストレスによりファイバに微小曲がりが発生し,損失の増加をもたらすことがあり,ジャケットおよびファイバ母材の構成について再検討を行った. 3.ビームホモジナイザの設計および製作 ファイバ曲げによるビーム形状変動を抑制するためのホモジナイザの設計を行うとともに,矩形ガラスパイプを用いて製作を行った.本ホモジナイザは矩形断面をもつ中空導波路で構成されたカレイドスコープ型のものであり.光線追跡方により,高効率かつ効果的となる最適形状を設計し,実際に製作・評価を行い,その優れたビーム均一化特性を明らかにした.
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