研究課題/領域番号 |
13750315
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
菊池 昭彦 上智大学, 理工学部, 助手 (90266073)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 量子準位間遷移 / ガリウムナイトライド / アルミニウムナイトライド / 分子線エピタキシー / 光通信 / 半導体レーザ / 量子カスケードレーザ / 共鳴トンネルダイオード |
研究概要 |
本研究では、AlN/GaN系超格子を用いた光通信波長帯(1.55〜1.3μm)量子カスケードレーザを実現するための基礎技術の開発を行った。AlNおよびGaN薄膜結晶の成長にはRFプラズマで励起された窒素ガスを窒素源とする分子線エピタキシー(RF-MBE)法を用いた。 カスケードレーザの電流注入機構の基本となるGaN/AlN二重障壁共鳴トンネルダイオード構造を作製し、室温における明瞭な微分負性抵抗の観測に初めて成功した。ピークバレイ比32という極めて大きな値が得られ、原子層レベルの膜厚制御技術が確認された。 カスケードレーザの電極層となる高Al組成AlN/GaN超格子結晶における高濃度n型ドーピングを実現するため、Siのバルクおよびデルタドーピングを試み、数分子層厚のGaN井戸層への2x10^<20>cm^<-3>という高濃度ドーピングに成功した。同時にポテンシャル形状のシミュレーションを行い、ドーピング方法と濃度がサブバンド間遷移(ISBT)波長に及ぼす影響を明らかにした。 高濃度ドーピングを行った292周期のAlN(11ML)/GaN(4ML)超格子結晶を用い、波長1.55μmのフェムト秒レーザによるポンプアンドプローブ法で超高速吸収緩和時間の観測に成功し、170フェムト秒の超高速緩和と1.1ピコ秒の遅い緩和の2つの過程が存在することを見出した。吸収緩和はp偏波にのみ観測され、ISBTによる吸収緩和であることが確認された。 光通信波長帯におけるGaN系光導波路の理論解析と基礎パラメータの測定(実効屈折率および自由キャリア吸収)を行い、GaN光導波路による方向性結合器を試作し、GaN系光導波路の有用性を実証した。さらに、AlN/GaN超格子を有する窒化物系光導波路構造において、波長1.55μmのレーザ光に対するISBT吸収の観測にも成功した。
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