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量子通信ネットワークのための量子回路の構成法

研究課題

研究課題/領域番号 13750340
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 情報通信工学
研究機関愛知県立大学 (2002)
名古屋工業大学 (2001)

研究代表者

臼田 毅  愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (80273308)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード量子通信 / 量子コンピュータ / 量子回路 / 量子情報理論 / コヒーレント状態 / シュレーディンガーの猫状態
研究概要

本年度に行った研究業績を要約すると次のようになる.
1.量子回路の物理的実現の評価方法の検討
量子回路を何らかの物理現象により,実現しようとする場合,様々な要因から,厳密には理想的な動作をせず,近似的に理想的に近い動作を行う.このため,近似の妥当性を評価する必要があるが,これまで,近似の評価は,基本量子ビット入力の場合にフィデリティを計算し,1に近ければ近似が妥当であり,わざわざ任意の入力に対し,別途評価する必要がないという見方が多かった.これに対し,基本量子ビット入力の場合にフィデリティが、1であっても,その重ね合わせ状態を入力した場合に,フィデリティが1にほど遠いような場合が存在することを,具体的な物理現象を特定しない一般論として,明らかにした.このことは,本研究で行ってきた近似評価が,正に必要不可欠であったことを意味する.
2.コヒーレント状態による量子ビットに対する1量子ビット回路の実現法の評価
最近の量子テレポーテーションの研究成果を根拠として,コヒーレント状態による量子ビットが考察され,イギリス及びオーストラリアのグループにより,1量子ビット回路の近似的実現法が示されている.本研究では,昨年度基本量子ビットに対して行った近似妥当性の考察を,重ね合わせ状態による量子ビットを入力した場合まで拡大し,考察した.その結果,入力のパワーが大きいとき,入力が重ね合わせ状態であっても,近似が成立することがわかった.
3.2つの1量子ビット回路の実現法の比較
昨年度と今年度で評価してきた2つの量子回路は,一方は,近似が成立せず,他方は成立している.しかし,双方とも,基本的には,ビームスプリッタを用いて構成されており,どこに本質的な違いがあるか,検討することが,どのような条件を満たす物理現象が,量子回路が成り立つために必要かを明確にするため,重要である.このため,両者のメカニズムを考察したところ,双方とも,線形光学素子であり,そのままでは,量子干渉を引き起こす量子回路に使うことが難しいが,近似の成立する方は,あらかじめ用意する重ね合わせ状態を利用することが鍵となっていることをつきとめた.

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 矢野淳一郎: "4つのコヒーレント状態による疑似ベル状態とその特性"平成14年度電気関係学会東海支部連合大会. 184 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 高津直規: "コヒーレント状態による量子計算のための量子論理ゲート"平成14年度電気関係学会東海支部連合大会. 184 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 高津直規: "コヒーレント状態に対する基本量子ゲートに対する考察"第25回情報理論とその応用シンポジウム. 2. 643-646 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 臼田 毅: "量子復号によるエンタングルメント"第25回情報理論とその応用シンポジウム. 2. 711-714 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 矢野淳一郎: "2つの異なる非直交状態の組による疑似ベル状態のエンタングルメント特性"第25回情報理論とその応用シンポジウム. 2. 715-718 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 臼田 毅: "q元量子符号に対する相互情報量の解析解"平成13年度電気関係学会東海支部連合大会. 212 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 臼田 毅: "線形従属信号の通信路容量の超加法性"電子情報通信学会第5回量子情報技術研究会. 159-164 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 臼田 毅: "多元対称信号に対する量子通信路容量の超加法性"第24回情報理論とその応用シンポジウム. 2. 501-504 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 高津直規: "Schrodinger cat状態に対する1-qubitゲートの特性解析"第24回情報理論とその応用シンポジウム. 2. 687-690 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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