研究課題/領域番号 |
13750380
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
システム工学
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
渡部 徹 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (10270323)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 階層型ニューラルネットワーク / バックプロパゲーション / 点字翻訳 / 分かち書き / ニューロコンピューティング / ニューロ / BP / 点訳 / 福祉情報工学 |
研究概要 |
日本語文書を点字に翻訳する方法として、点訳者が点訳を進める方法や自動点訳ソフトによって点訳を行う方法がある。前者の場合、点訳者の人数自体が少ないうえに、1人の点訳者が翻訳できる数は限られている。このため日々出版される図書の点字化への対応が遅れてしまう問題点がある。また後者の場合は、点訳ソフトが正しく点訳できない場合が多くあり、点訳者による点訳支援システムという形態をとっているのが現状である。 本研究は、人間の脳機能をモデルとしたニューラルネットワークを点字翻訳に適応し、その精度を評価・検討するものである。まず点字翻訳のプロセスの中で最も複雑で時間が掛かる「分かち書き」をニューラルネットワークに適用した。ニューラルネットワークは入力と出力の与え方やネットワークの構成によってその性能が大きく異なる。昨年度の研究では、入力に与えるデータとして、(1)点訳前の文書の文字コードをそのまま入力する、(2)文書を漢字とひらがなとカタカナ記号に分類したものを入力する、(3)文書を品詞別に分類したものを入力する、以上3種類の入力方法について計算機シミュレーションを行い、(3)品詞入力の手法が最も正答率が高い結果を得た。 そこで今年度は上述した(3)品詞入力の手法を用い、(4)階層型ニューラルネットワークの入力層と中間層の結合を入力の品詞ごとにまとめた構成、(5)通常の全結合のネットワーク構成、以上2種について比較検討した。学習データ数を100パターンとして、計算機シミュレーションを行った結果、(4)品詞ごとに分けたネットワークの分かち書き正答率は92%、(5)全結合ネットワークの正答率は89%となり、(4)のネットワークの方は優れていることが分かった。このネットワーク構成は(5)の場合に比べてネットワークのリンク数も少なくなり、学習に掛かる時間も少なくて済むという結果が得られた。
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