研究課題/領域番号 |
13750387
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石田 寛 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80293041)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 能動センシング / 嗅覚 / 生物行動 / 匂い源探知 / 流れの可視化 / 電気化学センサ / アンペロメトリ / カルマン渦列 / 微小電極 |
研究概要 |
ザリガニやカニなど水棲生物は、嗅覚を頼りに餌を探す。本研究では生物行動を模倣し、水中を漂う匂い(またはセンサで検出可能な化学物質一般)の発生源へ人間やロボットを導くコンパス(方位磁石)システムの実現を目指した。匂いを運ぶ水流の有無により生物の行動は大きく異なるため、それぞれの場合について検討を行った。 川の流れや潮流に匂いが運ばれてくる環境では、生物は主に水流をたどって発生源に向かう。しかし、化学信号も最大限活用されており、発生源に近づいたことを化学信号の変化から察知すると言われる。これをコンパスシステムで実現するため、ランダムな化学信号に含まれる周期パターンに注目した。自然環境で見られる水流は乱流であるが、流れが発生源に当たると周期的なカルマン渦列が発生し、化学信号に周期パターンが現れる。本研究では、触角上に並ぶ嗅覚受容器のように左右に多数のセンサを並べ、その時空間応答パターンの解析を行った。多数のセンサに共通して現れる周期パターンを探索することにより短時間で周期性を検出し、発生源が近傍に存在することを検知することが可能となった。 一方、湖底など水の流れが微小な環境では、生物は自ら水流を起こし周囲の餌の所在を能動的に探る。前年度は、水中ファンを用いて匂いの能動サンプリングを模倣し、流れ場の可視化実験を行った。得られた指針に従い、本年度はアンペロメトリック式化学センサを水中ファンの前に並べたシステムを作成した。前方に発生源が存在しても、水中では拡散が遅いためセンサ応答は現れない。しかし、水流を起こすことによって周囲からセンサへ匂いを引き寄せる層流場が形成され、発生源の存在する方向によって異なるセンサに応答が現れた。また、ファンを駆動してからセンサが応答するまでの時間を測定することにより発生源までの距離を求めることができ、発生源の位置を特定するコンパスシステムを実現できた。
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