研究概要 |
制御系設計を行なうにあたり、よいモデルを得ることは重要である。一般に同定結果は、モデルや手法の選択、,観測データの独立性、外乱や無視したモデル化誤差の影響によって大きく左右される。そこで、本研究ではよりよいモデルを得るための同定実験を設計することを目指し、同定に用いる入力信号を設計する問題に着目した。ただし、センサの配置問題等においても同様の議論はできると考えている。同定入力信号を設計するための評価関数として、外乱や非構造的な不確かさからパラメータ推定誤差までの誘導ノルムを用いて、その誘導ノルムは小さくなるように入力信号や同定時に用いる周波数重みを設計する問題を考えた。入力信号もクラスを時系列信号とした場合にも、今までに研究してきた正弦波の線形結合の場合と同様、誘導ノルムを最小にするという意味で最適な周波数重みは、入力信号の関数として解析的に与えることができた。また、その結果を用いると、周波数重みと入力信号を同時に最適化する問題を、入力信号を最適化するLMI問題に帰着することができた。これらの結果を論文としてまとめ、現在投稿中である。また最適な周波数重みが入力信号の関数と;して与えられることに着目し,適応制御などのパラメータ推定機構を含む制御系でのパラメータ推定則の周波,数重みを設計できるかどうかを検討し、簡単な場合には有効性が確認できた。実際の対象に対して実装することを考えた場合には、まだ不十分である。
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