近年、インターネット及びモバイル通信など情報技術(IT)の高度化により、電子商取引あるいはインターネットビジネスを含むEコマース(EC)が急速に進み、既に進行しつつあった工業社会から情報社会へのパラダイムシフトを加速させている。ECは生産者と消費者、生産者と生産者、消費者と消費者を効率的に結びつけ、従来の生産、流通、消費の経済の各分野において根本的な変化をもたらそうとしている。その結果のひとつとして、経済活動の物的な結びつきを集約する物流においても巨大な変化が起きると考えられる。このような転機をつかみ、如何にして物流システムの効率化をはかることは、従来環境問題など多くの問題をもたらした交通問題の解決にも有利であると考えられる。本研究はE-Commerceが物流に与える影響、そして情報社会における環境負荷の少ない物流システムについて研究するという目的を達成するために、次の研究を行った。 1)情報化による国際物流の変化を研究するために、中国の輸出入企業についてアンケート調査の結果を用いて、中継港選択行動をロジットモデルで分析を行った。 2)BtoCビジネスの増加による物流の変化およびその交通への影響を予測するために、詳細な経済地理データベースを利用する必要があるが、既存のGISソフトを物流研究のベースシステムとするには、ユーザーとしての交通研究者にとっては難しいため、既存のGISソフトを使用せず、GISデータベースだけ利用し、コンピュータプログラミングによってGISデータベースをビジュアル化するシステムを作ることに成功した。 3)Eコマースによる都市内交通への影響についてケーススタディを行った。 4)土木学会・物流小委員会の活動に参加した。
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