研究課題/領域番号 |
13750559
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
西川 竜二 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (00307703)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 体温調節 / 温熱性発汗 / 被験者実験 / 冷房 / 居住履歴 / パッシブクーリング / 温冷感触 / エクセルギー / 環境共生建築 / 温熱環境 / 住み方 / 地域性 |
研究概要 |
本研究では人体の温熱生理機能や温冷感の点から、冷房に依存した住生活の影響を点検し、パッシブクーリング住宅の有効性を明示するための方法を検討した。 まず、現在東北在住の青年男女を対象に、出生からの居住履歴調査および暑熱環境曝露時(作用温度34℃・湿度30%に30分間滞在)の温熱性発汗などの被験者実験を行なった。温熱性発汗速度は出生・生育地の8月の外気温と相関があったが、クーラー使用者と未使用者との温熱性発汗に有意な差は認められなかった。住まい方や意識面では、クーラー所有者の9割がクーラーを今後も必要な設備と考える一方、未所有者は必要ないと答えた。また、クーラー使用時には着衣の薄着などの行動性体温調節が減り、機械設備任せになる傾向があった。 パッシブクーリングを上手く行なうと盛夏の日中でも室内表面温度を室内空気温度より低温に保つことが可能であり、輻射冷房的な穏やかな涼感が得られる。特に住宅の場合には、床の温冷感触が快適性に与える影響は大きくなるので、躯体の表面温度は重要な要素である。しかし、住宅の熱的性能・快適性の予測では、夏季の室内表面温度や床との接触温冷感は評価項目として取り上げられていない。そこで、建築内表面の温冷感触を定量化し、パッシブクーリング住宅の評価に適用するための被験者実験を行なった。12種の内装材に手で触れた時の温冷感触を9段階評定尺度法により評価させた。床暖房などの既往研究では温冷感触と温度変化速度、熱流との関係が検討されているが、本研究では手のひらの温冷感触とエクセルギー流との相関関係を明らかにした。本研究者は、建築の冷房システムの評価指標として熱力学のエクセルギー概念の有用性を提案しその応用研究を進めており、手のひらの温冷感触とエクセルギー流との関係式を用いることで、建物におけるエクセルギーの流れの予測と同時に温冷感触の評価も可能となった。
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