研究課題/領域番号 |
13750583
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宇高 雄志 広島大, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (80294544)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 世界遺産 / 都市計画法 / 文化財保護法 / コミュニティー / 景観規則 / 発展途上国 / マラッカ / 国際協力 |
研究概要 |
研究では世界遺産のバッファーゾーンの区域決定と関連する景観規制の手法について検討を行った。調査では、まず既往の研究状況を把握するため、数次に亘り国会図書館を始め各種機関での文献情報収集と、文化財保存エキスパートへのインタビューを行った。その後、京都、奈良、姫路に立地する世界遺産物件を実地調査し、また管理当局へのインタビューと提供資料の分析を行った。また、UNESCO専門家へのインタビューを行い、世界遺産バッファーゾーンの景観管理状況の把握を行った。その上で、特に、国外の事例としてタイ、フィリピン、インドネシアにおける世界遺産保護状況について政府管理担当者へのインタビューをおこなった。研究期間中、マレーシア国の世界遺産準備委員会においてコーディネーターをつとめる、アミールファウジ博士に研究全体のレビューと分析へのコメントを依頼し、また実地の共同調査を行っている。 調査活動の結果、以下の課題が明らかになった。(1)世界遺産の景観維持ではユネスコが規定する共通の保全の体系を持つわけではなく、バッファーゾーンの景観管理を含めて、各国の国内法によって保証される。(2)各国では世界遺産登録に期待される観光開発などへの一定の歯止め策が求められている。(3)景観規制では国内の担当当局だけではなく、官民のパートナーシップや市民の啓蒙により景観を維持管理する体制が求められる。(4)日本各地で優れた成果を収めつつある維持管理技術を生かし、特に策定能力および財源に乏しい発展途上国での世界遺産登録準備段階について国際協力がもとめられる。 今後は、特に東南アジア諸国における世界遺産の維持管理手法で、我が国の景観管理政策および技術の利用や応用の可能性について展開を行う必要がある。また、線引きによるバファーゾーンといった面型指定ではなく、点型指定を鑑みた景観規制手法の技術的展開についても考察を行いたい。
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